新しい年を迎え、清々しい気持ちで一年をスタートさせるために欠かせない初詣ですが、いざ計画を立てようとすると様々な疑問が浮かんでくるものです。
地元の氏神様にご挨拶した後に有名な大きな神社へも足を運びたいけれど、初詣は何回まで行ってよいのかという回数の制限や、違う神社へ何回も行くと神様同士が喧嘩をしてご利益がなくなってしまうのではないかという不安を感じたことはないでしょうか。
また、仕事始めや帰省のタイミングによっては、いつまでに行けば初詣と言えるのか、あるいは願い事が多くて同じ神社に何度も行ってしまっても失礼にあたらないのかなど、意外と知らないマナーや作法がたくさんあります。
この記事では、そんな皆様が抱える「回数」や「期間」に関する迷いを、神道の考え方に基づいて丁寧に解き明かしていきます。

💡記事のポイント
- 初詣の参拝回数に決まりはなく何度行っても歓迎される理由
- 複数の神社をはしごして参拝する際の神様への正しい向き合い方
- いつまでに行けば初詣と言えるのか一般的な期間の目安と定義
- 同じ神社や違う神社へ複数回行く場合のマナーと注意すべきポイント
初詣は何回まで?回数制限の誤解と真実

- 初詣とは?行かないという選択肢も
- 初詣に何度も行くのは問題ない?
- 神社ではしごしてもいいですか?
- 違う神社へ何回も行くのは良い?
- 初詣で3回参拝する三社参り
- 違う神社に1日2回参拝しても平気
- 同じ神社に2回行くことの是非
「神様が喧嘩するから一箇所にしたほうがいいのかな?」そんな風に心配して、本当は行きたい神社があるのに我慢していませんか。実はその心配、日本古来の考え方からすると少し誤解があるかもしれません。ここでは、古くからの習わしや現代の柔軟な考え方を交えながら、回数に関する素朴な疑問を一つずつ解決していきます。
初詣とは?行かないという選択肢も
そもそも初詣とはどのような行事なのでしょうか。現代ではお正月のレジャーとしての側面も強くなっていますが、本来は新しい年になって初めて神社やお寺に参拝し、旧年中の感謝を捧げるとともに、新年の無事と平安を祈願する神聖な儀礼です。その起源を辿ると、かつては一家の長が、住んでいる地域の守り神である「氏神(うじがみ)様」の社に、大晦日の夜から元旦の朝にかけて籠もって祈り続ける「年籠り(としごもり)」という行事が原点だとされています。
この「年籠り」が、やがて大晦日の夜にお参りする「除夜詣」と、元旦の朝にお参りする「元日詣」の二つに分かれ、現代の初詣の形へと変化してきました。明治時代以降、鉄道網の発達とともに、恵方(その年の縁起の良い方角)にある有名社寺へお参りする「恵方参り」が流行し、現在のようなどこへ行っても良い自由な初詣が定着したのです。
このように歴史を振り返ると、初詣のスタイルは時代とともに柔軟に変化してきていることが分かります。ですから、「絶対に元旦に行かなければならない」といった厳格なルールに縛られる必要はありません。また、ご家族に不幸があった喪中(忌中)の期間や、体調不良、仕事の事情などで初詣に行かないという選択をされることも、決して悪いことではありません。
神様は逃げたりしませんので、心が落ち着いたタイミングで、あるいは松の内が明けてからゆっくりとご挨拶に行くのも、立派な信仰の形です。「行かねばならない」という義務感よりも、「神様に感謝を伝えたい」という自発的な気持ちを大切にしてください。
喪中と忌中の違いと参拝について
神道では「死=穢れ(気枯れ)」と捉えるため、忌中(一般的に50日間)は鳥居をくぐり神社へ参拝することは控えます。一方で仏教のお寺では、死は穢れではないため、喪中であっても手を合わせに行っても問題ありません。もし喪中でお正月を迎える場合は、お寺への初詣を検討してみるのも一つの方法です。
初詣に何度も行くのは問題ない?
結論から申し上げますと、初詣に何度も行くことは宗教的にもマナー的にも全く問題ありません。むしろ、推奨されることさえあります。これは、日本固有の神道が「八百万(やおよろず)の神」という多神教の世界観に基づいているからです。日本人は古来より、山や川、岩や木など自然万物に神が宿ると信じ、無数の神様が共存していると考えてきました。
この世界観において、神様たちはそれぞれの得意分野(ご神徳)を持ち、互いに協力し合って私たち人間や国を守護しているとされています。例えば、地域の安全を守る氏神様、学問を司る天神様、商売繁盛の稲荷様といった具合に、役割分担がなされているのです。
私たち人間社会でも、病気になったら専門医にかかり、家を建てるなら大工さんに頼むように、それぞれの専門の神様を頼って祈りを捧げることは、極めて自然で合理的な行為と言えます。
よく心配される「神様が喧嘩する」という説ですが、日本の神様は人間のような嫉妬や独占欲といった感情を超越した、非常に徳の高い存在です。「私のところに来たのに、あっちの神様のところにも行くなんてけしからん!」などと怒ることはあり得ません。
むしろ、私たちが多くの神様とご縁を結び、より良い人生を歩むことを喜んで応援してくださるはずです。ですから、ご利益が薄まったりバチが当たったりする心配は一切無用です。安心して、心惹かれる神様のもとへ何度でも足を運んでください。
神社ではしごしてもいいですか?

「神社ではしごしてもいいですか?」というご質問もよくいただきますが、これについても「はい、大丈夫です」と自信を持ってお答えできます。「はしご」という言葉がお酒を次々と飲み歩く「はしご酒」を連想させるため、なんとなく不謹慎で軽い行為のように感じてしまうかもしれませんが、複数の神社や寺院を順に巡拝することは、古くから行われている正式な信仰のスタイルです。「西国三十三所巡礼」や「七福神めぐり」などがその代表例ですね。
ただし、ここで一つだけ注意していただきたいことがあります。それは、「参拝の質」を落とさないことです。最近では御朱印ブームの影響もあり、まるでスタンプラリーのように御朱印やお守りを集めることだけが目的になってしまい、肝心の神様へのご挨拶がおろそかになっているケースが見受けられます。鳥居をくぐっても一礼もせず、手水もそこそこに、本殿にお尻を向けて授与所へ直行する……これでは本末転倒ですし、神様に対しても大変失礼です。
複数の神社を回ること自体は良いことですが、一社一社、時間をかけて心を込めて丁寧に参拝することを忘れないでください。それぞれの神社の由緒書きを読み、どのような神様が祀られているのかを知り、静かに手を合わせる。そのプロセスを大切にできるのであれば、何社「はしご」しても、それは素晴らしい「巡拝」となります。
御朱印をいただく際のマナー
御朱印は本来、お経を納めた証としていただく「納経印」が由来です。神仏とご縁を結んだ証ですから、必ず先に本殿・本堂で参拝を済ませてから授与所へ向かうのが最低限のマナーです。「参拝が先、御朱印は後」を徹底しましょう。
違う神社へ何回も行くのは良い?
複数の違う神社へ何回も行くことも、非常に良いことだとされています。先ほどもお伝えした通り、それぞれの神社には固有の歴史があり、祀られている神様によって授けていただけるパワー(ご神徳)の種類も異なります。自分の今の状況や願い事に合わせて、適切な神様の元を訪れるのは賢明な判断です。
例えば、まずは居住地を守ってくださっている地元の氏神様に「旧年中の感謝」と「新年のご挨拶」をします。これは、私たちで言えば大家さんや地域の役員さんに挨拶するようなもので、生活の基盤を守っていただくための最も重要な参拝です。その上で、受験生の子供がいるなら「学問の神様」へ、厄年であれば「厄除けの神様」へ、良縁を望むなら「縁結びの神様」へと、違う神社へ足を運ぶことは、ご利益を最大化するための前向きな行動です。
大切なのは、どこの神社へ行っても「お願い事」ばかりを一方的に押し付けないことです。「あっちでもこっちでも願い事ばかりして、欲張りだと思われないかな?」と不安になる方は、まず「感謝」を伝えることに重きを置いてみてください。「昨年は無事に過ごさせていただき、ありがとうございました」という感謝の言葉を添えるだけで、神様への響き方は大きく変わります。敬意と感謝を持って接すれば、神様は何度訪れても温かく迎えてくださいます。
もし正しい参拝の手順に不安がある方は、こちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
初詣で3回参拝する三社参り

実は日本には、古くから初詣で3回、つまり3つの神社を巡る「三社参り(さんしゃまいり)」という風習が根付いている地域があるのをご存知でしょうか。特に福岡県を中心とした九州地方や、中国地方の一部では、お正月に地元の神社を三社回るのが当たり前の習慣となっており、ニュースでも毎年のように取り上げられます。
この「三社参り」の風習の存在自体が、日本文化において「初詣は一箇所に限らなければならない」というルールが存在しないことの、何よりの証明と言えるでしょう。一説には、源頼朝が伊豆山神社、箱根神社、三島大社を参拝したことに由来するとも言われており、武家社会から庶民へと広まった歴史ある文化です。三つの神社を巡ることで、それぞれの神様からご加護をいただき、より強固な運気を築くことができると信じられています。
もしあなたが「何回も行っていいのかな?」と迷いを感じているなら、この「三社参り」にならって、今年は意識的に3つの神社を巡ってみてはいかがでしょうか。例えば、「地元の氏神様」「生まれた土地の産土(うぶすな)神社」「その年の恵方にある神社」の三社を選ぶのも良いですし、「氏神様」「職場近くの神社」「崇敬する有名な神社」という組み合わせも素敵です。3という数字は安定や調和を表す縁起の良い数字でもあります。ぜひ、あなただけの「マイ三社参り」を楽しんでみてください。
違う神社に1日2回参拝しても平気
スケジュールの都合や旅行先でのプランなどで、違う神社に1日2回以上参拝することになっても全く平気です。例えば、午前中に地元の氏神様へ家族で挨拶に行き、午後は友人と合流して有名な大きな神社へ行くといったパターンは、お正月の過ごし方として非常によくある光景です。
ただし、1日に何箇所も回るとなると、物理的な移動や人混みによる疲労が溜まりやすくなります。神様への参拝は「清浄な心身」で行うのが理想ですが、疲れ切ってイライラしたり、足が痛くて参拝がおざなりになったりしては、せっかくの初詣が台無しです。また、夕方以降は気温も下がりますし、神社の気が「陰」に傾くとも言われます。
そのため、1日に複数の神社を回る場合は、欲張りすぎず、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。自分自身が清々しい気持ちで手を合わせられる範囲にとどめておくのが、神様に対しても自分に対しても誠実な態度と言えるでしょう。もし時間が足りなくなったら、無理をせず「また後日改めて伺います」と心の中で断りを入れて、日を改めるのも賢い選択です。
同じ神社に2回行くことの是非
では、違う神社ではなく、同じ神社に2回行くのはどうでしょうか?「しつこいと思われないかな?」と心配される方もいますが、これも大歓迎される行為です。むしろ、何度も足を運ぶことで神様との「親密度」が増し、より深いご縁が結ばれると考えられます。
よくあるシチュエーションとして、元旦は家族や親戚と一緒に賑やかに参拝(ご挨拶)だけを済ませ、三が日が過ぎて人が少なくなった頃に、改めて一人でゆっくりと祈願(個人的なお願い事)に行くというケースがあります。これは非常に理にかなった参拝方法です。また、「お守りを買い忘れた」「おみくじを引きたい」といった理由で再訪するのも全く問題ありません。
神道には「常若(とこわか)」という思想があり、常に瑞々しく新しい状態で神様に接することが尊ばれます。何度訪れても、その都度手水で身を清め、新鮮な気持ちで向き合えば、神様は「また来てくれたのか」と喜んでくださるでしょう。回数を気にするよりも、一回一回の参拝の密度を大切にしてください。
初詣は何回まで?期間や時間のマナー

- 初詣はいつから始まる行事なのか
- 初詣はいつ行くのが正解なのか
- 初詣期間はいつまで続くのか
- 初詣は何時まで参拝できるのか
- まとめ:初詣は何回まででも参拝可能
回数に制限がないことは分かりましたが、次は「時期」や「時間帯」についてのマナーを見ていきましょう。「初詣に行こうと思っていたら、いつの間にか1月も半ばを過ぎてしまった……」という経験はありませんか?いつまでに行けば初詣と呼べるのか、深夜の参拝はどうなのか、具体的な目安と現代の事情を照らし合わせながら解説します。
初詣はいつから始まる行事なのか
「初詣に行こう!」と思い立ったとき、一番最初に気になるのが「いつから行ってもいいのか」というスタートのタイミングですよね。一般的に、初詣はいつから始まるかというと、元日の午前0時、つまり大晦日の除夜の鐘が鳴り響き、日付が変わった瞬間から始まると考えるのがセオリーです。
しかし、実はそれよりも少し早い時間帯から行う参拝スタイルも存在します。ここでは、伝統的な参拝方法から、近年の新しいトレンドまで、初詣の「始まり」について詳しく見ていきましょう。
功徳が積めるとされる「二年参り」
伝統的な参拝方法の一つに、大晦日の夜から元日の朝にかけて行う「二年参り(にねんまいり)」があります。これは、大晦日の深夜に一度参拝する「除夜詣(じょやもうで)」と、年が明けてから再度参拝する「元日詣(がんじつもうで)」をセットで行う、あるいは大晦日の夜から神社に籠もって年を越す形式のことを指します。
年をまたいで神様に寄り添うことになるため、通常の参拝よりもより多くの功徳(くどく)が積めると言われてきました。冷え込む深夜の境内、厳かな空気の中で新年を迎える体験は、背筋が伸びるような特別な感動があります。
新定番となりつつある「幸先詣」
一方で、最近急速に定着しつつあるのが「幸先詣(さいさきもうで)」という新しいスタイルです。これは、混雑するお正月を避け、年が明ける前の12月のうちに参拝を済ませてしまうというものです。
「年が明けてないのに初詣?」と不思議に思うかもしれませんが、「幸先が良い」という言葉にかけて、「一足早く神様に今年一年の感謝を伝え、来年の加護を願う」ことで、余裕を持って新年を迎えようというポジティブな発想に基づいています。神社側もこれに合わせて、12月から新年の縁起物(破魔矢や干支の置物など)を頒布し始めるケースが増えています。
幸先詣のメリット
- 三が日のような激しい混雑がなく、ゆっくりと参拝できる。
- 数量限定の縁起物やお守りを確実に手に入れやすい。
- インフルエンザ等の感染症リスクを回避しやすい。
このように、現代において初詣の定義は時代とともに広がりを見せています。厳密な日時にこだわらなくても、「新しい年を祝う気持ち」を持って行うその年最初の参拝が、あなたにとっての初詣となります。無理をして元旦に行くよりも、ご自身の体調やスケジュールに合わせて、晴れやかな気持ちでお参りできるタイミングを選ぶことが何より大切です。
初詣はいつ行くのが正解なのか
「初詣はいつ行くのが正解なの?」という疑問もよく耳にします。三が日に行かないとご利益がないのではないか、あるいは混雑している時に行っても神様に願いが届かないのではないか、と不安になる方も多いでしょう。
結論から言えば、「いつ行くのが正解」という唯一の答えはありません。それぞれの時期にメリットがあり、あなたの目的や好みに合わせて選ぶのがベストです。時期ごとの特徴を整理してみましょう。
お祭り気分を味わうなら「三が日」
最も一般的で伝統的なのは、やはり「三が日(1月1日~1月3日)」です。この期間は、多くの神社で「歳旦祭(さいたんさい)」や「元始祭(げんしさい)」といった重要な神事が行われます。
境内には屋台が立ち並び、お神酒(おみき)や甘酒が振る舞われるなど、一年で最も華やかで祝祭的な空気に満ちています。「お正月らしさを全身で感じたい」「活気のある中で一年の計を立てたい」という方には、間違いなくこの期間がおすすめです。ただし、有名神社では数時間待ちの行列ができる覚悟も必要です。
静寂と対話を求めるなら「4日以降」
一方で、仕事始めとなる1月4日以降は、状況がガラリと変わります。参拝客の数は落ち着き始め、境内には本来の静けさが戻ってきます。近年では「分散参拝」が推奨されていることもあり、あえて三が日を外す「大人の初詣」を選ぶ方も増えています。
人混みで揉みくちゃにされることなく、自分のペースで丁寧に手を合わせ、神様とゆっくり心の中で対話ができるのが最大の魅力です。「落ち着いて祈願したい」「人混みが苦手」という方にとっては、4日以降こそが「正解」のタイミングと言えるでしょう。
六曜や縁起の良い日を選ぶのもアリ
また、特定の日付ではなく「縁起の良い日」を選んで参拝するのも一つの方法です。カレンダーの「大安」や、物事を始めるのに良いとされる「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」、天がすべての罪を許すとされる「天赦日(てんしゃにち)」などが重なる日を狙って参拝するのも、ゲン担ぎとして人気があります。
神様はいつでもそこにいらっしゃいますし、いつ行っても逃げることはありません。「行かなきゃ」という焦りではなく、「行きたい」と思った日が、あなたにとっての吉日です。
初詣期間はいつまで続くのか

「初詣に行こうと思っていたら、いつの間にか1月中旬になってしまった……もう遅いかな?」そんな風に心配になったことはありませんか?気になる初詣期間、つまり社会通念上「初詣はいつまでに行けばいいのか」というリミットについて、明確な基準を知っておきましょう。
一般的には「松の内」まで
一般的に、初詣の期間は「松の内(まつのうち)」の間とされています。松の内とは、お正月に年神様(としがみさま)をお迎えするための目印である「門松」が飾られている期間のことを指します。この期間中は、神様が私たちの家や地域に滞在してくださっていると考えられているため、この間にご挨拶に行くのが礼儀とされています。
ただし、この「松の内」の期間は、実は地域によって大きな違いがあります。
| 地域 | 期間(いつまで) | 豆知識・背景 |
|---|---|---|
| 関東・東北・九州など | 1月7日まで | 江戸時代、幕府から「燃えやすい松飾りを早めに片付けるように」というお触れが出たため短くなったと言われています。 |
| 関西(京都・大阪など) | 1月15日(小正月)まで | 古い伝統がそのまま残っており、小正月の「どんど焼き」までを松の内とする地域が多いです。 |
このように地域差はありますが、基本的には自分が住んでいる地域の「松の内」に合わせて参拝すれば、「初詣」として全く問題ありません。
節分までは「新春」の範囲内
もし仕事や家庭の事情で松の内を過ぎてしまったとしても、諦める必要はありません。次の区切りとして意識したいのが「節分(2月3日頃)」です。
旧暦(太陰太陽暦)では、立春(2月4日頃)から新しい年が始まると考えられていました。そのため、その前日である節分までは、運気的にはまだ「新春」の範囲内と捉えることができます。多くの神社でも、節分までは破魔矢や干支の置物といった初詣特有の授与品を置いていることが多く、お正月気分で参拝することができます。
注意点
節分を過ぎると、初詣限定の授与品(縁起物)は撤去され、通常のお守りだけになる神社がほとんどです。特定の縁起物が欲しい場合は、事前に神社へ問い合わせるか、できるだけ早めに参拝することをおすすめします。
結論として、初詣の名称にこだわるなら「松の内」か「節分」までが一つの目安となりますが、それを過ぎたからといって参拝してはいけないというルールはありません。神様への感謝と祈りは、365日いつでも受け入れられますので、遅くなってしまっても堂々と手を合わせに行きましょう。る「節分(2月3日頃)」までは、お正月気分や初詣の対応(破魔矢の授与など)を続けている神社も多いです。それ以降になっても参拝自体はいつでも歓迎されますが、「初詣」という名目で行くなら節分あたりまでを目安にすると、季節の節目としても区切りが良いでしょう。
初詣は何時まで参拝できるのか
参拝できる時間帯について、初詣は何時まで可能かは神社の規模や管理体制によって大きく異なります。明治神宮や伏見稲荷大社のような大規模な神社であれば、三が日は24時間参拝可能というところも多いですが、地域の小さな神社やお寺では、防犯上の理由から夕方(16時~17時頃)に門が閉まることも少なくありません。
また、お守りや御朱印を授与していただく「社務所・授与所」が開いている時間は、参拝可能な時間よりも短いのが一般的です。せっかくお参りに行ったのにお目当てのお守りが買えなかった、ということがないよう、事前に公式サイトなどで時間をチェックしておくことを強くおすすめします。
| 日程 | 一般的な参拝可能時間 | 注意点・備考 |
|---|---|---|
| 大晦日~元日 | 終日(24時間)の場所が多い | 深夜は非常に冷え込むため防寒対策が必須。公共交通機関の終夜運転状況も要確認。 |
| 1月2日~3日 | 6:00~20:00頃 ※神社により大きく異なる | 日中は最も混雑する時間帯。授与所は17時頃に閉まる場合もあるので注意。 |
| 1月4日以降 | 6:00~17:00頃 ※通常の開門時間 | 企業や団体の参拝が増える時期。通常の静けさが戻り始める。 |
夜間の参拝については、「陰」の気が強くなるため避けるべきという考え方もありますが、初詣期間中の提灯が灯る明るく賑やかな境内であれば、あまり気にする必要はありません。ただし、人のいない真っ暗な神社への深夜参拝は防犯上も危険ですので避けましょう。
御朱印の受付時間などについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
まとめ:初詣は何回まででも参拝可能

今回の記事で解説した通り、初詣は何回までという制限は宗教的にもマナー的にも一切存在しません。神様は私たちの小さな行動で喧嘩をするような狭量な存在ではなく、複数の神社を巡ることで、それぞれの神様から豊かなご神徳を授かることができます。
- 回数に制限はない:初詣に行く回数に上限はなく、何度行っても問題ありません。
- 神様は喧嘩しない:複数の神社をお参りしても、神様同士が喧嘩したりご利益が消えたりすることはありません。
- 役割分担がある:神様にはそれぞれの得意分野(ご神徳)があるため、願い事に合わせて複数の神様を頼ることは合理的です。
- 「三社参り」の文化:西日本には古くから3つの神社を巡る風習があり、複数参拝が肯定的である証拠です。
- 氏神様への挨拶が基本:まずは自分が住んでいる地域の守り神(氏神様)に感謝を伝えるのがマナーです。
- はしご参拝もOK:1日に複数の神社を回る「はしご」も立派な巡拝ですが、スタンプラリー化しないよう注意が必要です。
- 同じ神社への再訪も歓迎:同じ神社に何度足を運んでも失礼にはあたらず、むしろご縁が深まります。
- 参拝が先、御朱印は後:御朱印をいただく際は、必ず先に本殿で参拝を済ませるのが絶対のルールです。
- いつから行っても良い:元旦0時はもちろん、12月中に行う「幸先詣」も新しい様式として定着しています。
- 期間の目安は「松の内」:一般的に初詣は、門松が飾られている期間(関東は1/7、関西は1/15頃)までに行うのが通例です。
- 節分まではセーフ:松の内を過ぎても、暦の上では「節分(2月3日頃)」までは新春の範囲内とみなされます。
- 混雑回避も正解:三が日にこだわらず、4日以降の落ち着いた時期にゆっくり参拝するのも推奨されています。
- 喪中(忌中)の対応:忌中(死後50日程度)は神社の鳥居をくぐるのを避けますが、お寺への参拝は問題ありません。
- 授与所の時間に注意:参拝は24時間できても、お守りや御朱印の対応時間は夕方で終わることが多いため確認が必要です。
- 感謝の心が最優先:回数や形式よりも、「旧年の感謝」と「新年の決意」を誠実に伝える心が最も大切です。
大切なのは「何回行ったか」という数字ではなく、参拝する時の「心」です。今年は地元の氏神様で一年の平穏を祈り、さらに叶えたい願いごとのある専門の神様を訪ねてみるなど、自信を持って「神社巡り」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
神社本庁のウェブサイトでも、お参りの作法や初詣の意義について詳しく解説されていますので、より深く知りたい方は参考にしてみてください。
(出典:神社本庁『参拝方法|神社本庁』)
皆様にとって、新しい年が素晴らしいご縁に恵まれた一年になりますように。心よりお祈り申し上げます。
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