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初詣で寺はおかしい?神社とどっち?喪中や参拝作法の違いを徹底解説

スピリチュアル・伝説
初詣

新しい年を迎えるにあたり、家族や友人と初詣の計画を立てている方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ行こうとしたときに、ふと「初詣でお寺に行くのはおかしいのではないか?」と不安になることがあるかもしれません。

一般的には「初詣=神社」というイメージが強いため、お寺を選ぶことに違和感を持ったり、喪中の場合や宗教的な違い、参拝の作法について迷ってしまうこともあります。

また、神社とお寺のどっちに行くべきか、あるいは行かないという選択肢はどうなのかと疑問に思うこともあるでしょう。この記事では、そんな素朴な疑問について、私自身が実際に調べて体験したことをもとに、詳しくお話しします。

初詣に関する疑問を解消し、気持ちよく新年をスタートさせるためのヒントをまとめました。

天照大御神
天照大御神

💡記事のポイント

  • お寺への初詣が「おかしい」と言われる理由と実際のところ
  • 神社とは異なるお寺ならではの参拝作法とマナー
  • 喪中や忌中の時に知っておくべきお寺と神社の違い
  • 複数の場所への参拝や日取りに関する疑問解消

初詣で寺に行くのはおかしい?

初詣
  • 初詣は神社とお寺どっちに行く
  • 初詣と仏教の関係や宗教的な意味
  • 初詣の寺での作法をチェック
  • 初詣でお寺は喪中でも大丈夫か
  • 初詣に行かないとどうなるか解説
  • 初詣に行ってはいけない日はあるか

結論から申し上げますと、初詣でお寺に行くことは決しておかしいことではありません。むしろ、日本には古くから神仏習合という独自の考え方があり、神社とお寺の両方を大切にしてきた歴史があります。ここでは、なぜそのように思われるのか、そして基本的な考え方について、歴史的な背景も交えながら見ていきましょう。

初詣は神社とお寺どっちに行く

「初詣は神社に行くもの」と思い込んでいる方は意外と多いですが、実は神社とお寺、どっちに行っても全く問題ありません。私自身、子供の頃は近所の氏神様(神社)に行っていましたが、大人になってからは厄除け祈願のために有名なお寺に行くことも増えましたし、その年によって気分で変えることもあります。

日本の歴史を紐解くと、明治時代以前は「神仏習合」といって、神様と仏様を区別せずに一緒に祀るのが一般的でした。お寺の中に神社があったり、神社の境内に仏像があったりするのは当たり前の光景だったのです。明治時代に「神仏分離令」が出されたことで神社とお寺は明確に分けられましたが、私たちの心の中にある「新しい年に手を合わせて祈る」という文化そのものは、対象が神様であろうと仏様であろうと変わっていません。

実際、文化庁が発行している統計データを見ても、日本の宗教人口において神道系と仏教系の信者数を合わせると、日本の総人口を大きく上回ることが分かっています。これは、多くの日本人が神道と仏教の両方の行事に関わっていることを示しています。

(出典:文化庁『宗教年鑑』

選ぶ基準としては、ご自身の家の宗旨(檀家となっているお寺など)があればそちらを優先するのも良いですし、単純に「家から近い」「好きな雰囲気である」「屋台が出ていて楽しい」といった理由で選んでもバチは当たりません。「どちらに行かなければならない」という決まりはないので、ご自身が一番清々しい気持ちになれる場所を選んでみてください。

初詣と仏教の関係や宗教的な意味

お寺への初詣には、神社とはまた違った仏教ならではの深い意味があります。単にお願い事をするだけでなく、自分自身を見つめ直す機会として捉えると、参拝の質がぐっと高まります。

仏教では、お正月に「修正会(しゅしょうえ)」という法要を行うお寺が多くあります。これは、「過ちを改め、正しい行いをする」という意味が込められており、新しい年の国家安泰や五穀豊穣、そして個人の幸せを祈る儀式です。つまり、お寺での初詣は、神様に一方的にお願いをするというよりも、仏様の前で「昨年までの自分の行いを振り返り、反省すべき点は反省し、新しい年は正しい心で生きていきます」と誓いを立てる場と言えるでしょう。

仏様へのご挨拶のポイント
お寺での初詣は、ご先祖様や仏様に「旧年中は無事に見守っていただきありがとうございました」と感謝を伝えることが基本です。その上で、「今年も精進しますので、お導きください」と誓いを立てるのが美しい姿勢です。いきなり「宝くじが当たりますように!」と欲望をぶつけるのではなく、まずは感謝と決意を伝えることで、心のデトックスにもなります。

また、お寺によっては「護摩祈祷(ごまきとう)」を行っているところもあります。燃え盛る炎の中に護摩木を投じて煩悩を焼き尽くすという迫力ある儀式ですが、これに参加することで、心の中のモヤモヤやすっきりしない感情を浄化し、新たな気持ちで一年をスタートさせることができるのも、お寺ならではの魅力です。神社の神様が「現世利益」や「地域守護」の側面が強いのに対し、お寺の仏教的なアプローチは、より内面的な平穏や悟り、先祖供養に近い部分があることを知っておくと、参拝がより意義深いものになるはずです。

初詣の寺での作法をチェック

ここが一番の間違いやすいポイントであり、お寺に行く際に最も緊張する部分ではないでしょうか。神社とお寺では参拝の作法が大きく異なります。無意識に神社の癖が出てしまい、「パンパン」と柏手(かしわで)を打ってしまうと、周りの視線が気になって恥ずかしい思いをするかもしれません。しっかりチェックしておきましょう。

最大の違いは、お寺では柏手(拍手)を打たないということです。神社では神様を呼び覚ますため、あるいは邪気を払うために音を出しますが、お寺では静かに手を合わせる「合掌」が基本となります。音を立てずに、右手の仏様の世界と左手の私たちの世界を合わせることで、仏様と一体になるという意味があるとも言われています。

お寺での参拝手順(詳細版)

  1. 山門(さんもん)の前で一礼:ここから先は仏様の聖域です。帽子を取り、一礼してから敷居を踏まないようにまたいで入ります。
  2. 手水舎(ちょうずや)で清める:神社と同じく、柄杓(ひしゃく)を使って左手、右手、口、左手、柄杓の柄の順に清めます。最近は感染症対策で流水式になっていることも多いです。
  3. 鐘をつく(可能な場合):参拝者が鐘をつけるお寺もありますが、これは参拝前に「これからお参りします」と仏様に知らせるためのものです。参拝後につくのは「戻り鐘」と言って縁起が悪いとされることもあるので注意しましょう。
  4. 常香炉(じょうこうろ)で煙を浴びる:お線香の煙を体の悪い部分にかけると良くなると言われています。頭にかければ賢くなるかもしれませんね。
  5. 本堂の前へ:お賽銭を静かに入れます。投げつけるのは仏様に失礼にあたるので、そっと滑らせるように入れましょう。
  6. 鰐口(わにぐち)を鳴らす:お堂の前に吊るされている金属製の鳴らし物があれば、綱を振って鳴らします。
  7. 合掌・祈願:胸の前で静かに手を合わせ、一礼します。この時、柏手は打ちません。心の中で住所、氏名、感謝、願い事を唱えます。宗派によっては「南無阿弥陀仏」などの名号を唱えます。
  8. 一礼して下がる:最後に深く一礼をしてから退きます。

また、お寺にお参りする際、もし数珠(じゅず)を持っていれば持参するとより丁寧です。数珠は左手にかけるか、合掌する際に両手の親指と人差指の間にかけて使います。「わざわざ数珠までは…」という方も多いと思いますが、カバンに忍ばせておいて、いざお参りするときにスッと出すと、とてもスマートで信心深い印象になりますよ。

初詣でお寺は喪中でも大丈夫か

初詣

「喪中は初詣に行ってはいけない」とよく聞きますが、これは非常に多くの人が誤解しているポイントです。結論から言うと、お寺であれば喪中であっても初詣に行って全く問題ありません。

なぜこのような誤解が生まれるかというと、神道の「死=穢れ(けがれ)」という概念と混同されているからです。神道では、死を気枯れ(生命力が枯れた状態)として忌み嫌うため、身内に不幸があった場合は神社への参拝を控える「忌中(きちゅう)」という期間があります。鳥居をくぐってはいけない、と言われるのはこのためです。

一方、仏教において死は「穢れ」ではありません。むしろ、亡くなった方は仏様のもとへ旅立ち、成仏すると考えられています。お寺は葬儀や法事を行う場所でもあり、死と向き合い、故人を供養するための場所です。したがって、喪中にお寺へお参りすることは、新年の挨拶とともに、ご先祖様や亡くなった方に手を合わせに行くという自然な行為であり、何ら問題はないのです。

注意点:神仏習合の強いお寺の場合

基本的にお寺はOKですが、中には神社の要素が色濃く残っているお寺もあります。例えば、入り口に大きな鳥居があったり、神様も一緒に祀っているような特殊なケースです。このような場所では、地域の慣習として「喪中は控える」というルールが存在する場合もあります。
心配な場合は、事前にそのお寺の社務所(寺務所)に電話で確認するか、四十九日(忌中)が過ぎるまでは控えて、松の内(1月7日や15日)が明けてからお参りするなど、柔軟に対応すると良いでしょう。

私自身も祖母を亡くした翌年のお正月は、派手な神社への参拝は控えましたが、菩提寺へお参りに行き、お墓参りと合わせて新年の挨拶をしました。静かな気持ちで故人を想うことができ、とても良い時間を過ごせたと感じています。

初詣に行かないとどうなるか解説

「今年は仕事が忙しくてどうしても行けそうにない」「人混みが苦手で、行くだけで疲れてしまう」という理由で、初詣に行かないという選択をする方もいらっしゃるでしょう。その際、「行かないとバチが当たるのではないか」「今年の運気が下がってしまうのではないか」と不安になるかもしれませんが、心配はいりません。

結論としては、初詣に行かないからといって悪いことが起きたり、バチが当たったりすることは絶対にありません。初詣は義務やお勤めではなく、あくまで神様や仏様に感謝や祈りを捧げるための行事・習慣です。「行かなければならない」という強迫観念に駆られて、無理をしてイライラしながら参拝するよりも、自宅で心穏やかに新年を過ごすことの方が、精神衛生上も良く、よほど良い一年を迎えられるのではないでしょうか。

もし「行かないと気持ちが落ち着かない」というのであれば、以下のような代替案もあります。

  • 自宅の神棚や仏壇に手を合わせる:これこそが最も身近な初詣です。一番近くで見守ってくれている存在に感謝を伝えましょう。
  • 遙拝(ようはい):神棚がない場合でも、神社やお寺のある方角に向かって手を合わせるだけでも意味があります。
  • オンライン参拝・郵送祈祷:最近では、インターネットを通じて参拝の疑似体験ができたり、お守りやお札を郵送で授与してくれたりする寺社が増えています。「手抜き」と思わず、現代ならではのツールを活用して気持ちを届けるのも一つの方法です。

大切なのは形式ではなく「心」です。「行けなかった」と自分を責める必要はありません。落ち着いた頃、2月や3月になってからゆっくりお参りに行くのでも十分にご利益はあるはずです。

初詣に行ってはいけない日はあるか

「元日は混むから避けたいけれど、この日は縁起が悪いから行ってはいけない」といった特定の「タブーの日」はあるのでしょうか。一般的に、お寺への参拝に「絶対に行ってはいけない日」というものは存在しません。

よく気にされるのが「六曜(大安・仏滅・赤口など)」です。「仏滅に初詣に行くと縁起が悪い」と考える方もいますが、実は六曜は中国から伝わった占いが起源であり、本来の仏教の教えとは全く関係がありません。お寺側も「仏滅だから参拝してはいけない」とは言いませんし、お守りの授与なども通常通り行われています。とはいえ、なんとなく「仏滅にお参りするのは気分的にすっきりしない」という方も多いでしょう。それは個人の気持ちの問題なので、ご自身が気持ちよく参拝できる「大安」や「友引」などを選ぶのが一番です。

女性の「生理中」の参拝について

また、女性の方で気にされるのが「生理中の参拝」です。神社(神道)では、生理は「血の穢れ(赤不浄)」とされ、古くは鳥居をくぐることが禁じられていました(現代ではそこまで厳格でない場合も多いですが、気にする方は鳥居をくぐらず脇から入るなどの配慮をされます)。

一方、お寺(仏教)では生理を穢れとはみなしません。したがって、生理中であっても全く問題なく参拝でき、お堂に入ることや護摩祈祷を受けることも可能です。体調さえ良ければ、むしろお寺の方が気兼ねなく初詣に行けると言えるかもしれません。ただし、お寺によっては独自のルールがある場合もゼロではないので、大規模な祈祷などを受ける際は念のため確認すると安心です。

唯一気をつけるべきは、お寺の行事スケジュールです。法要や特別な修行が行われている時間帯は、一般の参拝者が本堂に入れないことがあります。行っていけない日というよりは、「物理的に入れない時間」がないか、公式サイトなどで確認することをおすすめします。

初詣で寺はおかしいという誤解

初詣
  • 初詣は何ヶ所も行くものなのか
  • 初詣に何回も行くのは問題ない
  • 初詣のお寺おすすめと神社ランキング
  • 初詣は午後でもいい?何時に行く
  • 初詣の前倒しはしてもいいのか
  • まとめ:初詣で寺はおかしい?

前半では基本的なマナーや考え方について触れましたが、ここからはもう少し踏み込んだ疑問、「複数箇所へのお参り」や「時間帯」などについて深掘りしていきましょう。「こうでなければならない」という思い込みを捨てると、もっと自由に、そして楽しく初詣を満喫できますよ。

初詣は何ヶ所も行くものなのか

「神社とお寺、両方行きたいけれど、神様と仏様がケンカしないかな?」「浮気性だと思われてご利益がなくなるんじゃ…」と心配になる方もいるかもしれません。しかし、初詣は何ヶ所も行くことは全く問題ありませんし、むしろ推奨されるケースも多々あります。

その代表例が「七福神めぐり」です。お正月によく行われるこの行事は、複数の神社やお寺を回ってスタンプ(御朱印)を集め、七つの福を授かるというものです。七福神自体、インドの神様(仏教)、中国の神様(道教)、日本の神様(神道)が混ざり合った最強のユニットですから、ここからも日本人がいかに多様な神仏を受け入れているかが分かります。

また、九州地方などで有名な「三社参り」という風習もあります。これはお正月に3つの神社を詣でる習慣ですが、神社とお寺を組み合わせて回ることもあります。地元の氏神様にご挨拶してから、厄除けで有名なお寺に行き、最後に学業の神様のところへ行く、といった「はしご参拝」は一般的です。

大切なのは「一対一」の誠実さ
複数の場所に行く際に重要なのは、一箇所一箇所で誠実に手を合わせる心です。スタンプラリーのようにただ回数や数をこなすだけになり、おざなりな参拝をするのは失礼にあたります。どこのお寺や神社に行っても、「先ほどあちらの神社でもご挨拶してきましたが、こちらでは〇〇について祈願させていただきます」といった丁寧な気持ちを持っていれば、神様や仏様がケンカをすることはありません。心が広いですから、安心して複数のご利益を授かりに行きましょう。

初詣に何回も行くのは問題ない

「三が日に一回行ったけれど、後日また別の友人と行くことになった。何回も行くのは失礼?」「一回のお願いじゃ不安だから、何度もお願いしに行っていいの?」という疑問もよく耳にします。

これも全く問題ありません。お参りは何度行っても良いものです。「初詣」という言葉にとらわれて「最初の一回だけが重要」と思いがちですが、神社やお寺はいつでも門戸を開いています。

例えば、1回目は元旦に家族と地元の氏神様へ行き、家の安全を祈る。2回目は4日に会社の同僚と商売繁盛で有名な神社へ行く。3回目は週末に友人と縁結びで有名なお寺へ行く。このように、シチュエーションや同行者、祈願の内容を変えて何度足を運んでも大丈夫です。

「お礼参り」という考え方

むしろ、お願い事をした後に「叶いました、ありがとうございました」と報告に行く「お礼参り」の方が重要視されることもあります。何度も足を運ぶということは、それだけその神様や仏様を慕っているという証拠でもあります。「また会いに来ました」という親しみを持ってご挨拶すれば、神仏もきっと喜んでくださるでしょう。ただし、同じ願い事を何度も執拗に繰り返すよりは、「努力しますので見守っていてください」という決意表明を重ねていくイメージの方が、前向きで良い結果を引き寄せられる気がします。

初詣のお寺おすすめと神社ランキング

「せっかくならご利益のあるところに行きたい!」と思うのは人情ですよね。初詣のお寺おすすめスポットや、人気ランキングなどは毎年テレビや雑誌で話題になります。どこに行くか迷っている方のために、初詣で特に人気のあるお寺をいくつかご紹介します。

有名な初詣のお寺の例:

寺院名(場所)特徴・ご利益
成田山新勝寺(千葉)不動明王を祀り、初詣参拝者数は全国でもトップクラス。厄除け、交通安全、家内安全などあらゆるご利益があるとされ、迫力ある護摩祈祷が有名です。
川崎大師 平間寺(神奈川)「厄除けのお大師さま」として親しまれています。参道の仲見世通りも賑やかで、飴を切る音が響く活気ある雰囲気がお正月らしさを演出します。
浅草寺(東京)言わずと知れた東京の観光名所。「浅草観音」として親しまれ、所願成就のご利益があります。仲見世での食べ歩きも楽しみの一つです。
成田山大阪別院明王院(大阪)通称「成田不動尊」。交通安全のご利益で有名で、車ごと祈祷してもらえる専用の祈祷殿があります。関西の初詣スポットとして不動の人気です。

ランキング上位の場所は、多くの人が集まるだけの理由があり、確かにパワーがありそうです。しかし、同時に大変混雑することも覚悟しなければなりません。「初詣 寺 おかしい」と検索されている方は、もしかすると人混みを避けて静かな場所を求めているのかもしれません。

もしそうなら、ランキングにこだわらず、「自分が心地よいと感じる場所」を選ぶのが、一番のパワースポット選びだと私は感じています。自宅の近くにある小さなお寺でも、境内が綺麗に掃き清められ、住職さんが丁寧に対応してくれるような場所であれば、そこがあなたにとっての最高の初詣スポットになるでしょう。

初詣は午後でもいい?何時に行く

初詣

「初詣は午前中に行くべき」という説を聞いたことがあるかもしれません。確かに、朝の清々しい空気の中で参拝するのは気持ちが良いものですし、「一年の計は元旦にあり」というように、早めに行動することは良いこととされています。

しかし、午後に行ってはいけないという決まりはありません。特に三が日の人気寺社は、午前10時から午後2時頃にかけてピークを迎え、入場規制がかかるほどの大混雑になります。何時間も寒空の下で行列に並ぶことになり、体調を崩してしまっては元も子もありません。

混雑を避けるために、あえて午後3時以降や夕方に行くのも賢い選択です。夕暮れ時のお寺は独特の風情があり、提灯に灯りがともる幻想的な雰囲気を味わえることもあります。

お寺ならではの注意点:閉門時間

ただし、お寺の場合は神社と違って、閉門時間(開門時間)が決まっていることが多いので注意が必要です。神社は24時間境内に入れるところも多いですが、お寺は防犯や修行の観点から、夕方16時や17時になると山門やお堂が閉まってしまうことが一般的です。せっかく行ったのに入れない、ということがないように、何時に行くか計画を立てる際は、必ず公式サイトなどで時間をチェックしてください。

夜の参拝「除夜の鐘」からの流れ

また、大晦日の夜から元旦にかけての深夜帯も人気です。お寺ならではの「除夜の鐘」を聞きながら、あるいは実際に鐘をつかせてもらいながら年を越す「二年参り」は、特別な体験になります。この時間帯は深夜でも開いているお寺が多いですが、非常に寒くなるので防寒対策は万全にしてお出かけください。

初詣の前倒しはしてもいいのか

最近では、新型コロナウイルスの流行をきっかけに、12月のうちに参拝を済ませる「幸先詣(さいさきもうで)」や「年末詣」という言葉も定着してきました。初詣の前倒しはしてもいいのか、ご利益が減るのではないかと迷う方もいるでしょう。

これは「分散参拝」という観点からも寺社側が推奨していますし、宗教的にも決して悪いことではありません。年内に「今年一年の感謝」を伝え、新年の「お願い」を前もってすることは、「お礼参り」と「祈願」を兼ねた非常に丁寧な行為とも言えます。

「幸先詣」には、「幸先が良い」という言葉がかかっており、縁起が良いとされています。何よりのメリットは、空いていることです。混雑の中、後ろの人に押されながら慌ただしく手を合わせるよりも、誰もいない静かな境内で、ゆっくりと時間をかけて仏様と対話し、心を込めて手を合わせる方が、願いが届きやすいような気がしませんか?

また、お守りや破魔矢なども、12月から新しい年のものを授与してくれるお寺が増えています。新しいお守りを年内に手に入れておき、元旦から身につけるというのも素敵な新年の迎え方です。「初詣は三が日に行かなければならない」という固定観念にとらわれず、ご自身のライフスタイルや体調に合わせて、無理のないスケジュールで参拝することをおすすめします。

まとめ:初詣で寺はおかしい?

初詣

ここまで、初詣でお寺に行くことの是非や、神社との違い、作法について詳しく見てきました。結論として、「初詣で寺に行くのはおかしい」ということは全くありません。むしろ、お寺ならではの深い精神性や、静かに自分と向き合える環境は、新年のスタートにふさわしいものです。

  • お寺への初詣は一般的:神仏習合の歴史があり、宗教的にも全く問題ありません。
  • 作法の違いに注意:お寺では「柏手(パンパン)」を打たず、静かに合掌して祈ります。
  • 喪中でもOK:仏教では死を穢れとしないため、喪中の方でも気兼ねなく参拝できます。
  • 柔軟な参拝スタイル:混雑を避けて午後や別の日に行ったり、年内に前倒ししたりしても、ご利益は変わりません。

神社には神社の、お寺にはお寺の良さがあります。大切なのは、「どこに行くか」という形式よりも、「どのような気持ちで手を合わせるか」という心構えです。感謝の気持ちを持ち、新たな一年の決意を胸に、静かに手を合わせる。その行為そのものが、あなたの心を整え、素晴らしい一年を引き寄せる鍵となるはずです。

神社でもお寺でも、ご自身が「ここに行きたい」「心が落ち着く」と感じる場所を選んでみてください。この記事が、あなたの迷いを晴らし、素敵な一年の始まりの参考になれば幸いです。どうぞ良いお年をお迎えください。

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